高比良さんは本を出している。タイトルは、『漫才過剰考察』

過剰だという自覚があるから、「過剰」と入れたのか。
でも、実際、漫才が大好きなんだろうなと思ったのは、2024年のM-1のあとに放送された、『M-1グランプリ2024 アナザーストーリー』を見ていたときのこと。

M-1を越えたい。それができなければ優勝できない、と密着する番組スタッフの男性に語っていた。

過去の自分ではなく、番組を越えたい。最初、それを聞いたスタッフが、高比良さんにその意味をたずねていたけど、それを見ていた私は、M-1への並々ならぬ意気込みを感じた。「M-1を越えたい」って、どういうことなのかわからなかったけど、すごいと思ったのだ。熱っぽく、声が大きめで話していたわけではないのに、静かに燃える熱意が見えたような。

さすがに、3度目の挑戦はしないと言っていた。
これ以上、ファイナリストであり、チャンピオンでもある人がエントリーすると、「ほかの芸人の、売れるチャンスを奪っている」とか、いろいろ言う人が出てくるだろうし。何より、年々挑戦する人の数が増えているのに、決勝まで勝ち上がるだけでも相当大変なのだから。