舞「ずらーっと並んでたよね、ここ。頭悪そうな女と、キモいおっさん。うちらがどんなに声かけても、警察がとりしまっても居座ってたのに。病気が流行ったらやめんのかよ。ふざけんな!」

舞、目の前に並んでいた自転車を蹴る。

舞「人間の言うことは聞かないのに、ウイルスのことは聞くのかよ。ねえ! うちらがやってきたことってなんだったの? しょうもない! ほんっとうに……」

自転車を蹴って難題も倒す舞を、亨が「やめとけって」と止めようとしても突き飛ばし、さらに自転車を蹴る舞。後ろから抱きかかえて止める亨。

亨「平等なんだよ! やっとわかったよ、舞ちゃんの言ってたこと。うちら今、平等に命の危険にさらされてんじゃん。金持ちも、貧乏人も。だから、俺ばっかり、私ばっかりって考えちゃうんだよ」

舞「なるほどね……」
おとなしくなった。

舞「平等だからむなしいんだ」

亨「かな……」