「もう疲れた。ババアになってまで風俗やりたくねえし。もう死ぬわ」
ビルから落ちようとするリリカ。

そこにヨウコが。

「ところが死ねない。
 この高さから落ちて死ぬ確率30%。70%は助かる。死なん」

タブレットで、頭から落ちた人の顔のレントゲン写真を見せる。

「でーれー、(いて)ぇそうじゃ。でも死なん」

さらに、手術台の上に寝かされている人の写真。

「(英語で)骨盤が粉砕して、内臓を突き破ったケース。
 (日本語で)これもでーれー痛ぇそうじゃ、でも死なん」

さらに、

「(英語で)背中から落ちて下半身まひ」

両足に装具をつけ、両サイドから人に支えられて歩く練習をしている人の映像が。

「もんげー苦しいそうじゃ、でも」

「死ねないんですか?」とリリカ。

「死なん。なぜなら、ここにわしがおるからじゃ」

「外科医なんです、この人」と、南。ようやく、落ち着いた様子のリリカ。

ヨウコと南といっしょに屋上を後にするリリカ。

これで終わり、……とはならず、リリカが投げ捨てた大量の1万円札をひろっているダイスケ、自分の名刺で足をすべらせ、転落。出血して倒れているダイスケの上に、大量に舞い落ちる1万円札。



この、リリカとダイスケがもめて、ヨウコがリリカに話すシーン、すごい印象に残りました。

もし自殺に失敗したら、心も体も苦痛だらけの人生を生きていかなきゃならなくなる。その現実を、写真や映像付きできっちり見せる。「死ぬな」って言葉で言うより何十倍も効果があるよ、これは。

でも、精神的に追いつめた原因になった、別に死にたいなんてまったく思ってなかったホストのダイスケが死にかける、って。これもなんていうか……、ブラックさがすごい。