そのとき、沙織が転びそうになり、沙織の体を支えた一条。
お互いを見つめ合ってる沙織と一条を、遠くから見ている光、少し複雑な表情に。

職場に戻った沙織。安部課長、自分が通っている和歌の先生は、いつも着物を着ていて、優雅で、まるで平安の貴族のようだと。名前は、紫さん。

それを聞いて、もしかして紫の上もこっち(現代)に来てる? と思った沙織。
顔を見ようとホームページを見ると、紫先生は顔を扇で隠していた。

その扇は、沙織が夢の中で見た、紫の上が持っていたものと同じ、紫に金色の花が舞っている扇だった。


その頃、お風呂に入っていた光。
職場の人たちの前で付き合ってることを否定されたり、沙織と仲良さそうに見つめ合っていた一条を思いだし、動揺したのか、頭からお風呂の中に沈んで、溺れかけた。

自分で髪を結べず、洗面所の鏡を見ながら、長ーい髪と格闘してる光。
沙織は、紫の上がこっちに来ているかもしれない、と満月を見上げながら不安になっていた。
光、思いっきりくしゃみをして、ここで第一巻、終了。