でも、昔は、そういうことを(学校側が)隠そうとしたんじゃないかと。それでこの事件をおぼえている人と、この事件を知らない人がいて、だんだんと忘れられていった。

いまでもありますよね。生徒が自殺して、いじめがその理由なのかもしれない。でも、学校側はそれを認めない。
結局、本当は何があったのか、それがはっきりしないまま時間だけが過ぎていく。
やがて、生徒が亡くなったことそのものが忘れられていく。

でも、そういうことがあった、ということは、ふわっと残ったりもするわけです。噂になったり、「この学校で自殺した生徒がいて……」なんて怖い話になったりして。
それが人から人に伝わり、伝言ゲームのように、ときどき事実ではないことがくっついたりして、最初の話と違うものになったりする。