傷だらけの君は



びっくりしたのは山崎さんだけじゃなくて、あたしは自分のほおを拭った。


冷たい。そこには冷たい何かが流れていた。


きっと昔のあたしだったら人のことでこんなに一喜一憂することはなかった。


他人のことにも、自分のことにも。


苦しくて、もどかしくて、酷く愛おしい。




「……沖田くんは紅にとって、どういう存在なんや」


静寂に包まれたこの空間で、そんな言葉がすっとあたしの胸のなかに入り込んできた。


考える必要もなかった。




「誰よりも、なによりも大切な存在です」





あたしは沖田さんのことが好きなんです。