ただ…… 「あたし、なんのために生きてるんだろう」 なんの目標も、夢もない自分ははたして生きている意味があるのだろうか。 死にたいとは思わない。 だけど特段生きたいわけでもない。 「……足、痛いなぁ」 そんな呟きは誰に聞かれるわけでもなく、宙に消える。 居間から覗く満月は、星一つない黒い空にぽっかりと浮かんでいた。