「果乃〜、僕部活行くけど、見学行く〜?」



「い、行くっ。待って…っ」




放課後、唯兎くんが今日も迎えに来てくれる。



それと同時にやっぱりざわめきが起こる。



有名人だなぁ…。




今朝も、唯兎くんに教室まで一緒に来てもらったら、唯兎くんが自分の教室に向かってからすぐに女の子が2人寄ってきて、いっぱい聞かれた。



なまえはええっと…。



秋帆ちゃんと…やよいちゃん?



どういう関係なのーとか、付き合ってるのーとか、果乃ちゃんも推薦入試なのーとか、たくさん質問されて。



ここ数年あんまり人と話していなかった私としては、なんて答えたらいいのかわからなくて。



それをわかってくれたのか、2人はひとつずつゆっくり話してくれた。



今ではなんとなく仲良しになって。



「果乃ちゃん、じゃあね〜」


「また明日〜」


「秋帆ちゃん、やよいちゃん、またねっ」



帰るときも声をかけてくれた。