昨日あの場にいなかった紗菜にはまだ何も説明できていない。


けれど、あまり沢山の生徒に言いふらすわけにはいかなかった。


ツバサのように、自分のスマホにアプリが送られてくるのを怯えている生徒は大勢いる。


「なんでもないよ」


あたしは紗菜へ向けてそう返事をして、体育館シューズへと履き替えたのだった。