高田高校は図書館から歩いて10分ほどの距離にあった。


灰色の大きな校舎を見上げるとなんだか陰鬱な気分になった。


ここで50人もの生徒が死んで行ったのだ。


そう思うと進む足は重たくなっていく。


高田高校の玄関口を入るとすぐ右手に下駄箱があり、左手に受付のような場所があった。


「どちら様ですか?」


窓口から男性が顔を覗かせてそう聞いて来た。


あたしたちの制服を見て怪訝そうな表情を浮かべている。