授業中、生徒たちはみんな静かだった。


当然だったけれど、先生の前では主従関係を見せない。


けれど先生がふと目を離した隙にわざと自分の消しゴムを床に落とし、それを奴隷に拾わせると言った類のことは起こっていた。


これくらいのことなら、先生も気にかけないだろう。


美奈は終始カリンの様子を伺っていて、カリンが少しでもみじろきをすればビクリと震えた。


美奈の中にはカリンへ対する恐怖が植え付けられているようだ。


「ゲームは24時間なんだから、1日くらい休めばよかったのに」


休憩時間に入ってすぐ、あたしは亮太へそう言った。


亮太の顔はまだ痛々しいほど腫れていて、ホームルームが終ってから職員室に呼び出されて事情を聞かれていたようだ。


もちろん、亮太が本当のことを言わないように、颯樹は口封じをしているから意味がないけれど。