コンクリートの長方形の箱がポンと置かれているようなものだった。


その建物が見えた時、あたしたち6人は自然と足を止めていた。


チケットには最新のゲームセンターだと書かれているが、看板らしきものはなく、ゲームセンター特有の華やかさもない。


おまけに入口らしきものも見当たらないから、つい立ち止まってしまっても仕方がなかった。


「この建物がゲームセンター?」


そう言って首をひねる梨花子。


あたしも同じ気持ちだった。


もしかして道を間違えただろうかと思ったが、ここに来るまえ一本道だったから間違えようがない。


「近づいてみるか……」


晴道がそう言い、恐る恐る建物に近づいていく。


「近づきすぎたら警告アラームが鳴るとか、ないよな?」