梨花子も陽大もいなくなった。


それだけじゃ物足りないというのか。


歯ぎしりをしたくなる中、床の扉が開き何かが出て来た。


「ゴーグルだ……」


アユが震える声でそう呟いた。


3人分のゴーグルが床の上にポツンと準備されている。


「こんなのつけない」


アユが震えながらも抗議する。


「そうだよ。俺たちはもうゲームを終えた。帰らせてくれ!」


悠太郎も叫ぶ。


あたしはそっとゴーグルへと近づいていた。