気づけば、あたしは

放送室の椅子に座っていた

周りには、何人もの幼稚園生がいる

ああ、この子は愛佳だ・・・・・・この子は聖歌

この子は飛翔かな・・・・・・?あのとき、切り刻まれたはずだけど・・・・・・呪いかな?

そう思っていると、横から小さな手が飛び出し、あたしの目の前の机にあるスイッチやレバーを操作する

ああ、この子は美結・・・・・・放送委員だったから、わかるんだね?

そして、準備完了とでも言うように、美結はその場を離れた

ここから、教室の様子が手に取るようにわかる

そして、操りもできる

だって、頭の中に様子がすうっと浮かびこんできて、操れるような気がするんだもの・・・・・・

現実離れした、"狂った"ゲーム

ごめんね、華ちゃん

あたしは、止めることが出来なかった・・・・・・

だから

『ガガ・・・・・・ザザ・・・・・・・・・お待たせ致しました』

自然と無機質な声になる

さあ、始めよう

最悪で最高の、ゲームを

ねえ、美月?

『只今から、カミサマ鬼ごっこを開始します─────』

















ねぇ、美月

あたしは、最後まで姉らしくしていられた?

本当は

あなたは

ただ、偶然あたしと誕生日が同じだっただけの

偶然、あたしと名前が似ていただけの

あたしの"義妹"なのに・・・・・・


















『結月、今日から結月の妹になる美月ちゃんだよ』

『よろしくね、美月ちゃん!』

『よ、よろしく・・・・・・』


『ちょっと、なに美月をいじめてるの?』

『結月ちゃん・・・・・・?』

『美月をいじめたら、承知しないんだから!』


『美月が来たのが確か・・・・・・11歳の頃だっけ?』

『そのはずよ』

『もう、そんなに年月が経ったんだね・・・・・・』

『そうね・・・・・・』

『ふふ、ありがとうね、美月』

『何よ、急に改まって』

『なんでもなーい』









血の繋がらない、姉妹は

姉らしく、妹らしく

その生涯を終えました