呟くように言ったそらは、老爺には聞こえなかった。 「文ちゃんはこの世を変えたいと思っとるんじゃろ?」 「でももう手遅れです」 「まだ出遅れてはおらぬ。一つだけ手があるんじゃ」 「そんなはず」 「そのペンダント」 それがこの、七色に光る、綺麗なペンダントだった。 「これが.......?」 「それはな、お前さんの両親が作ったものじゃよ」 「え.......」 「この世に数個しかないんじゃがな、他のは誰かが使ってしまったのでそれが最後じゃ。」