翌日、屯所では文が居ないと朝から大騒ぎだった。
大人数で探し回ったが、それでも文は見つからなかった。
「クソっ!!あいつどこ行きやがった!」
「なんで.....」
「あんな傷で動き回ったら危険やで。やっと治りかけてたんや。これだけ探しても見つからないっちゅう事は、一晩中走ったんやろ?
そんな事したら、傷口が開いてまう」
「っっ.....どうして文は.....」
「わかんねぇ.....けど、何かあったって事は明白だろ。死よりも自分を苦しめるような何かが」
「っ.......なんでだよっ!!!あいつ、やっと目が覚めたってのによぉ!!こんなの...あんまりだ」
「左之さん.....」
「もう、大島には会えねぇのか?」
「........」



