夜、私はなかなか寝付けず考えにふけっていた。 私はこのままここに居ていい?私はあの時代を捨て、逃げてきたであろう身。そんな人間がこんなにも幸せな暮らしをしていいはずがない。 私の命はあと一年。その前に皆に別れを告げるべきなのかもしれない。そして孤独に一人で死ぬんだ。 そうだ、ここを出よう。 蝉の声がうるさい程に聞こえる。 まるで私の考えを支持するかのように。