土方歳三サイド
書物に文字を書こうとしたその時、筆から一滴の墨汁が垂れ、紙を汚した。
どこか胸騒ぎがし、俺は町へ出た。
町には人集りが出来ていた。その中心にいたのは、子連れの女性。
「誰か!!!助けて!!彼女を、助けて下さいっっ!!!」
「どうされました」
「ああっ!!!」
彼女は、羽織を羽織った俺にすがるように泣きながら訴えた。
「辻斬りが.....辻斬りが出たんです...!!私たちを守ろうとして女の人が!」
俺の悪い勘は当たっていた。
「すぐに案内を!!」
「は、はいっ!!」
人通りのない道の真ん中に、男と女を中心に、広範囲の血溜まりができていた。
「っっ大島!!!」
「お姉ちゃん.....!!」
「おい!!しっかりしろ!目を覚ませ!」
大島は、かろうじて息をしていたが、出血多量で一刻を争う状態だった。男の方は、既に冷たくなっていた。
大島を担ぐと、女性の事も気にせず、一目散に治療部屋へ運んだ。
「山崎!!!山崎!!」
「どないし、た.......何があったんや?!」



