「.......万が一、奴と会っても無理だと思ったらすぐ逃げろよ」



「わかりました」



そして渡された刀。



「この刀には名前がないらしい。勝手につけていいそうだ」



「刀の.....名前.....」



その時、ふと思い浮かんだのが



「誠桜」



「しんおう?」



「誠の桜と書いて誠桜。誠の志を持った武士たちはまるで桜のように美しい」



「いい名前を付けたな」



珍しく土方さんが本当に優しい笑顔で微笑んだ。泣く子も黙る鬼の副長。そう呼ばれる彼は、本当は優しい方なんだ。