それはここへ来てから3ヶ月ほど経ったある日。



「おい。大島」



「なんですか?土方さん」



副長室で聞かされたのは、最近京の町では辻斬りが流行っているとのこと。



「剣が振るえなくてもいい。ただ、護身用に刀を常時持っておけ」



「その辻斬り、強いんですか?」



「さぁな。見た事はねぇが、ここらで剣の腕がたつと有名な奴があっさり殺られちまったらしい。まぁ、侮れる相手じゃねぇ事はたしかだ」



「出くわしたら殺すんですか?」



「お前、まさか殺り合うつもりじゃねぇよな?」



「探してまで斬るつもりはありません。ですがここに居る限りは皆さんと同等の振る舞いをする覚悟でいます」



「剣術の経験は?」



「多少ですが」