藤堂平助サイド



「文ってさ、好きな奴いないの?」



「好きな人.....」



文は誰を想ったのか、少し頬を染めて微笑んだ。



「好きな人はいないよ」



「そうなのか?」



「好きなのかな。わからないや」



「わからない?」



「まだ私も自分の気持ちがわからないの」



文は空を眺めると、こう付け足した。



「でもこの気持ちは、一生言えないかもね」



俺は、その切なそうな顔の彼女を見たら、理由は聞けなかった。



「平助君はいないの?」



「俺はね〜、いない!」



気になるヤツなら目の前にいるけど!!



「そっか〜。好きな人、見つかったら教えてね」



「おう!!」