「へへっ。照れるなぁ」



藤堂さんは嬉しそうに頭をかいた。



「そういえばさ。俺たちどうせ歳も近いんだし、下の名前で呼び合わねぇ?敬語もやめてさ!」



「じゃあ.......平助、くん?」



「おうっっ!!!文!!」



些細な事かもしれないけど、この時代へ来て心細かった私に少しでも気を許せる人が出来た事が何よりも嬉しかった。



自然と笑みがこぼれた。



「なんか、さ。文って他の人たちと違う感じがするんだよな」



「えっ」



「悪い意味はないんだけど、なんつーかな。俺らとは見てる世界が違うようななんというか………まぁそういう事だ!!」



平助くんにまで私がこの時代の人間じゃないことがバレてしまうのではないかと、内心ドキドキしていた。



「みんな見てる世界なんて同じだよ」