見ると、確かに右の後ろ足から血が出ていて、猫も辛そうな顔をしていた。



「.......藤堂さん、その子をこちらに」



「え、あ、あぁ」



私は部屋へ駆け込むと、包帯と薬草で作った塗り薬を出して、手当をした。
次第に猫の表情も柔らかくなり、眠ってしまった。



「大島すげー!!お医者様みてぇだ!」



「医者だなんて」



「大島は何でも出来るんだな!」



「藤堂さんはお優しい方なんですね」



「俺?」



「猫を助けるなんて。本当に心の広い方でないとそう出来ることじゃありませんよ」