それから間もなくして、新選組は幕末を生きる人々を魅了させていった。



幕府側による大政奉還実施により必要とされなくなった新選組だったが、誰一人として諦める者はいなかったと言う。



そして、新選組は5年というわずかな活躍の後、箱館戦争を最期に、儚くも散っていった。



だが彼らの純粋なる己の志が人々の心に残る志士となったのだ。



『新選組顛末記』



その史料の最後に



「新選組には、名に誠の花を刻み、己の信念を貫いた女の小姓がいた。



彼女を忘れることはない。再び出逢える事を信じている」



と書き足された事を、誰も知るよしはない。