「最期まで、頑固なんだな…」
そう言う原田さんは目に涙を溜めていた。
「ごめんなさい…」
「文………っ」
「沖田さん……」
いつもなら泣く沖田さんが、必死に涙を堪えている姿を見て、胸がぎゅっと締め付けられた。
「沖田さん、私、幸せでした。」
みんなの顔を眺めると、溢れそうになる涙を堪え、話を続けた。
「ここへ来た時は、未来を救う事だけを考えていて、そのためになら命なんて惜しくないとも思っていました。だけど、皆さんと出逢って変わりました。
笑う事を忘れていた私に、笑う楽しさを教えてくれました。人形のように感情を持たない私に、心というものを与えてくれました。
皆さんには感謝してもしきれません。
皆さんが私の生きる喜びであり、生きた証です。
もし、生まれ変わりというものがあったら、また皆さんと出逢いたいです。
皆さんと過ごした思い出は、私の、かけがえのない宝物です。
今まで、本当にお世話になりました」



