「吉田さん」 「なんだ」 「今日、沖田さんに会ったんです」 「沖田……総司か」 「きちんと別れを告げてきました。新選組の脱退を」 「………そうか」 短い沈黙の後、吉田は思いくち開いた。 「………文、お前に伝えたいことが、ある」 「?」 「俺………っ」 吉田はそこで言葉を断ち切ると、唇を噛み、拳を握り締めて立ち尽くした。 「よしだ、さん??どうしたんですか?」 「好きだなんだ」 「え?」 「お前が……」 その意味にようやく気づいた文は、かっと顔を赤くした。