「失礼します」
壬生浪士組の人達と話すことすら緊張するのに、局長とあろうものならこの心臓はどうなる事やら。
心臓の音を聞きながら、近藤さんの前へ正座すると、近藤さんは見た目によらずとても穏やかで優しく、微笑ましい笑顔を浮かべるお方だった。
「よく来たね」
「はい」
いくら優しそうだとはいえ、正座をし、膝の上で組んだ私の手は小刻みに震えていた。
そんな私をよそに、近藤さんはこんな事を言った。
「大島くんに質問するよ」
「は、はい」
「君にとって命とは何かね?」
「命.......ですか」
なんでこんな質問をするんだろう。



