七色ペンダント


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翌日、私は買い出しで再び街を訪れた。
私を信用してか、吉田さんは1人で行かせてくれた。



今日も吉田さんからもらったかんざしをつけて。



最近、ずっと調子が悪い。気づけば新選組と吉田さんの事を考えてる。どっちも助けたい。それ自体が矛盾なんだ。わかってる。わかってるのに、認めたくない。



その時、誰かとぶつかって身体がよろけた。



やっちゃった……



「すみません、私がよそ見をしていたばかりに」



すぐに頭を下げて謝ると、相手からの返事がない。恐る恐る頭を上げてみると、そこには目を丸くした沖田さんがいた。



「文………」



今にもかすれそうな声色の彼は、少しやつれているように見えた。



心臓の音が、うるさい程に脈打った。



慌てて戻ろうと向きを変えたが、腕を思いきり掴まれた。