「吉田さんは自分の死について考えた事はありますか?」
「いつ死ぬかなんてものは誰にもわからない。だが死はそう怖いものでもない。身は朽ちようと大切な人の心の中で生き続けるのだからな」
「吉田さんは大切な人がいたんですね」
「昔な。奴とは小さい頃からの仲だった。新時代を切り開くのは俺たちだと共に日々を過ごしていた。でもあいつは2年前、新選組との戦いで俺をかばって死んだんだ」
「っ………」
「あの日の光景がずっと頭から離れない。あいつ、自分が死ぬってのに笑ってたんだ。安心したような顔で」
「……吉田さんを守りたかったんですよ、きっと」
「っ……だから、俺は、あいつの分まで……生きなきゃいけない。そして俺たちの夢を叶えるんだ」



