「オレたち、死ななかったんだな」




オレはそう口にすると、思わず泣いていた。




オレは普段、カッコつけているけれど、本当に涙脆くて困っている。




感受性が強いことは、役者になりたいオレにとって、大切な資質だけど、オレはまだみんなの前でカッコつけていたかった。




「泣くなよ、泰雅。

男だろ」




「普段はカッコつけてるけど、涙脆いのね」




「泰雅は将来、アクションスターになるんでしょ。

私、そういう夢、とっても好きだよ」




「みんな、からかうなよ。

ちょっと油断したら、泣けてきただけだから」