「もしかしてオレたち、助かったのか?」




「そうみたいだよ。

本当に奇跡だね」




「あっ、彩斗たちは!」




オレはハッとして、我に返り、あの船から一緒に海に投げ出された仲間たちを思った。




「やっと起きたか、泰雅」




そう言った彩斗の声に、オレは慌てて振り返った。




「みんな、無事だったんだ」




オレは目の前にある幸せな奇跡に胸を撫で下ろした。




心美、彩斗、結衣、太一、莉々菜。




私立東野高校の大切な仲間たちが一人もかけることなくそこにいた。