「起きて!

泰雅、起きて!」




誰かがそうオレに話しかけて、オレの肩を揺すっていた。




オレは朝日の眩しさを感じながら、ゆっくりと目を開けた。




そしてオレが目を開けた先には、オレの顔を心配そうに覗き込む心美がいた。




「ここはいったい……」




オレはそう言って、上半身を起こすと、慌てて辺りを見回した。




小さな砂浜。

そして、その先に見える崖と草むら。




人が住んでいる気配がないほどの田舎な風景にオレは正直、戸惑っていた。