「だけどあの怪物はこの島に何体いると思う?

もしもこんな小さな島にあんな怪物が何体もいたら、出くわさない方が不思議だぜ」




「泰雅の言う通りだ。

あんな怪物がもしも何体も存在していたら、オレたちはかなりヤバイぜ」




「あの怪物、人間を憎んでいた。

憎んでいなくちゃ、あんな残酷な殺し方なんてしないよ。

きっとあの怪物には、人間を憎む何かが……」




悲観的な言葉がオレたちを不安にさせた。




オレたちが今、知っていることは、この小さな島に、人間を憎み、人間を殺す恐ろしい怪物がいるってことだけだ。




だけど、きっとこの小さな島を深堀りしていけば、何かもっと恐ろしいことが起きるような気がする。




不安は恐怖そのものだ。




オレたちはまだ見ぬ敵に、心から怯えていた。