「私だって、こんなとこで死ねないよ。

高校三年間、一生懸命、バスケをやって、全国大会にも出れてうれしかったよ。

でも、それって、私の終わりじゃないよ」




「泰雅、心美、ここにいたのか」




オレがその声に振り返ると、そこには私立東野高校の仲間、彩斗と結衣と莉々菜と太一がいた。




「この船って、沈むのかなぁ?」




大人しい性格の太一が、怯えながらそう言った。




「バカなこと言うなよ。

オレたちの船は沈まない」




いつもはクールな彩斗が声を荒げた。




「現実的な話をしよう」




オレはそう言って、大切な仲間たちの顔を見回した。