「私、みんなとの思い出を作りたいって思って、旅行に来たのに、こんなのって、あんまりだよ。

私って、部屋でアニメのキャラクターに囲まれてよろこんでるようなオタク系女子なんだよ。

私はあんな怪物を見たら、怖くて何もできない。

莉々菜が死んだときを思い出すと、体の震えが止まらないよ。

こんな島で、生きていれる自信がないよ」




「弱音を吐くな」




彩斗はそう言って、泣きじゃくる結衣の肩をポンと叩いた。




「お前が怖くて動けないときは、オレがお前を励ましてやる。

お前が危ないときは、オレがお前を助けてやる。

だから、もう泣くな。

泣いていても、この島からは出られないんだ」