莉々菜のメガネが粉々に砕け、莉々菜の顔面から真っ赤な血が飛び散った。




オレたちは、その悲劇の瞬間を目の当たりにして、絶句すると、莉々菜を助けることもできずに、その場に立ち尽くした。




「悪夢だ……」




仲間の惨劇を見つめながら、太一がポツリとつぶやいた。




「こんなのって、リアルじゃないよ。

オレたちが生きてきた世界に、こんな怪物はいなかった。

これって、全然、リアルじゃないよ。

絶対に悪夢だよ」