「泰雅、マズイよ。

莉々菜が遅れ始めた」




文化系で読書好きなメガネの女の子の莉々菜は、体育の授業以外でスポーツをやらない。




そんな莉々菜が、こんなでこぼこの草むらを走り続けるなんて、きっと無理だ。




怪物は莉々菜の背後に迫っている。




その赤い目に憎しみを宿し、人間を殺すことを目的として。




非力なオレたちは、あんな怪物には立ち向かえない。




捕まったら最後。




確実な死が訪れる。