絶望の島

「泰雅がそう言うなら、行ってみようぜ」




彩斗がそう言って、オレに笑顔を見せた。




彩斗はクールで普段は感情を表に出さないタイプだけど、本当は情熱的な熱いハートを持つオレの友達だ。




オレは彩斗と横に並び、小屋の扉をそっと開けた。




そして、悲鳴が鳴り止まない部屋の奥へと入っていった。




「きっと暴漢だ。

誰かがそいつに襲われている」




「それじゃ、武器を持った方がいいな」




オレはそう言って、廊下に立てかけてあったツルハシを手にした。




「そんなんで人を殴ったら、死んじまうぜ」




「用心はした方がいい。

暴漢は一人とは限らない」




オレと彩斗は何かを壁に叩きつける音が聞こえるドアの前に立ち、決意を固めると、そのドアを勢い良く開けた。