絶望の島

「だけど小さな島だね。

ここから見渡しただけで、島全体が見えるよ」




そう言った結衣は、二次元好きのオタクの特性で、早くもこの小さな島に興味を持ち始めていた。




「民家も結構あるよ。

もしかして、この島だけでも、百人くらい住んでるかもしれない」




「あっ、あそこにデカイ施設があるぜ」




彩斗はそう言って、海の近くにあるコンクリート造のデカイ建物を指差した。




「この小さな島には、相応しくない建物だよな」




オレはそう言って、真っ白な壁のその施設をじっと見つめた。