絶望の島

小高い崖の上に立って、彩斗が一番最初に声を上げた。




「おっ、民家があったぜ。

この島には人が住んでる」




「えっ、本当?

それじゃ私たち、ちゃんと家に帰れるんだ」




大人しい性格の莉々菜の声が弾んでいた。




莉々菜は私たちの中で、一番真面目な優等生だ。




黒髪のショートボブで、目立たない大人しい性格。




そして、読書好きの証みたいに、いつも黒縁のメガネをしていた。