絶望の島

オレたち六人が、小高い崖の上を目指して歩いていると、心美がオレのとなりに来て、話しかけてきた。




「私、あの船の中で、死ぬかと思った。

私たち、まだ高校三年生なのにね。

死を間近に感じると、生きてることが幸せに感じるね。

私、本当に死ななくて良かった」




心美はバスケ部のキャプテンで、高校三年間、バスケに打ち込んできた。




少し小柄で奔放な性格。




茶髪のショートカットで、整ったきれいな顔は、男子生徒から人気があった。




「心美があそこで死んだら、バスケしか知らない人生だったよな」




「ひどい!

私は高校を卒業したら、今までのバスケ一筋の生活を変えて、恋愛だってするんだよ。

高校を卒業した私には、きっと彼氏がいるんだから」




「ハハハ。

だといいな。

心美って、好きな人いるの?」




「何なの、その言い方。

デリカシーを感じない。

泰雅って、性格悪いから、きっとモテないよ」




心美はそう言うと、顔をプイと背けて、スタスタと前に進んでいった。