「ねえ、指名入ったよ?」

「はーい」

いつものように裏からホールに行くと

怒ったような彼が座っていた

周りの女の子も異様な空気に気づく

あたしは怯えながら卓につくと

首を掴まれた

「おい、あれなんなんだよ」

苦しくて答えられる訳もなかった

怒りが増していく彼はあたしの髪を掴んで

叫び始めた

「おめーはなにがしてんだよ」

周りの女の子の止めが入り

あたしはその手から解放される

裏に行ってなと先輩に言われて

溢れ出す涙が止まらなかった

彼は帰されて

その日から彼と会うことは無かった