「はー?肝試しすんの?どこで?」

「なんかホテルの裏の森でやるみたいよ。」


海から上がった生徒達はそれぞれの部屋に
戻り、体に付いた塩水を洗い流すため
部屋についている大浴場で湯を浸かった。

乾かした髪をお団子に結んでラフな格好になった神奈は川口春奈の話を聞いていた。


「山口の許可も降りたらしいからさ〜。幽霊役も何人か名乗り出て二人ひと組のペアでやるみたいよ。」

「どーせあれでしょ、くじとかで決めちゃうパターンでしょ?あれだな、クラスに何人かくっつく奴出てくるな…」

「神奈はどーなの?気になる人いないの?」

「あー、ないない。うん。ないね〜。川口春奈、あんたは樹と和樹どっちなの?前にあたしに二人に近寄るなって言ってきたよね?」

「ほ、掘り出さないでよ!!私は黒王子!!あの中性的な顔で誰も寄せ付けないオーラがたまんないの!!」

「あっそ。あんたマゾなんだね。可哀想」

「そんな哀れみの目で見ないでくれる?でもあんた山口と仲良いよね?今日も二人でホテルに入ってくの見たけど。」

「その言い方いやらしー。あたし人を好きになるってよくわかんないからな〜。せんせーは一緒にいて居やすいってゆーか。」

「はっはーん。そのうち気づくんじゃない?」


楽しそうな顔をする川口春奈にイラっとするも、肝試しの時間となり集合場所の外に向かう