「俺昔から体弱くてさ、女の子みたーいっていじめられてたんだよね。和樹の方が女顔なのにね、それなのに和樹の性格は容姿と真逆で結構暴れん坊だったんだよねー。俺はそんな和樹によく助けられててさ。」


「あー、バカズキっぽいね」

「でしょ?!はは…ただ中学上がりたての頃にそんな暴れん坊の和樹だから先生に目をつけられてさ、何かあるたんびに和樹のせいにしてたんだよ。俺は優秀なのが取り柄だったから笑ってフォローしてって、そんな毎日だったんだよ。別に和樹が悪いとかないよ?」



「…。」



「ただ、笑ってれば何でも物事は上手く進むんだって思って。俺は曲がった事したらきっと和樹に迷惑掛かるから。だから俺純粋って思われるようにしてるの。本当はズルい男なんだけどね?」

「いんじゃね?ずるくて。」

神奈から軽い言葉が出て一瞬目を見開く樹


「逆に樹が自分をさらけ出しても、無駄な笑顔が消えても、それもそれで樹自身なんだし。たったそれだけで和樹に迷惑掛かるって思ってんのは違うんじゃん?つーがそんなことあんなバカズキが気にするように見えんの?」

「あはは…ほんとにその通りなんだよね。分かってたんだけど、きっと誰かにハッキリと言って欲しかったのかな。」

「浅いんだよ。他人を気にして自分を殺すくらいなら、あたしはそんな風にさせる他人とは関わらない。」

「凄いよね、神奈ちゃんは。」

「樹、どんな樹だろうがあたしは気にしないよ。」

「……ありがとう。」