「すいませーん。矢沢神奈さんいますー?」


休み時間の教室に緩い声が響く。
呼ばれた神奈はドアに視線を向けると
知らない男の子と目が合う。


高身長で目付きが鋭い中性的な顔立ちに
光の反射で黒髪が藍色に見える。

神奈を見て鋭い目は閉じられ笑顔になる


「あいつだれ?」

「さー?わかりませぬ」


和樹は怪訝そうに男の子を見ると
男は一瞬和樹を睨む。


ゾクっと悪寒が走る和樹


よいしょと男に近づいていく神奈を
止めることはできなかった。