「はーい、じゃここ訳せる人〜handup!!」
遊の緩い授業が意外にも好印象で
女子は目がハートになりながら手を上げる。
そんな中手をあげない神奈は遊に目もくれず
窓から見える景色を見つめていた。
「じゃ、矢沢ちゃーん、よそ見してるから訳して?」
楽しそうな顔で神奈を指す遊
「Please be silent.(黙れ)」
「おいおい〜、Answerになってないよ」
「矢沢先生、鼻毛出てますよ。」
「え、うそ?」
「嘘」
矢沢兄妹のやりとりに教室には笑いが起きる
「お前大変なんだな。」
「あたしより手ごわいかもね。あの人は」
椅子に腰を下ろすと和樹はドンマイの表情をする。
「はい、そこの女顔の君ー。この例文作ってねー。」
和樹は遊の笑ってない目に焦るも
淡々に例文を作っていく。
「わー、正解!!……神奈のなんなの」
和樹の肩に手を置いて耳元でボソッと囁く
「はっ「はい、座っていいよ!!」
ニッコリ笑う遊に和樹は動揺したまま席に戻る
あの兄貴絶対やばい…
俺が矢沢と話してたから?
なんにせよ目をつけられた。