「矢沢神奈のお兄ちゃんでーす」

ゆるい話し方で神奈を見てニヒっと笑う遊
その表情は神奈がする表情と全くそっくり

「へー、まじかー。良かったなー矢沢」

「せんせー。どこらへんがいんですかー。」

実習生と神奈が兄弟と知る1年A組のみんなのビックリした声は廊下まで響いていた。


「矢沢と矢沢先生って紛らわしいな。」

「あ、俺遊くんて呼ばれてるんすよー。」

「遊くんね〜。じゃあそれでいーか。」


そんな男二人のやり取りに注目する生徒達

「なー、お前の兄貴って山口と似てね」

「前にも言ったっしょ〜?でもあたし知らなかったわー、兄貴がここに来るなんて。」

「その割には驚かねんだな。」

「ものすっごく嫌だけどね〜」


そんな神奈の和樹に視線を向ける遊

面白くなさそうな顔をするもすぐに
営業スマイルをして女子に騒がれていた。