「……ぶはっ!!なにすんねん!!」
思わず距離を取る。展望台にいたカップルはとっくにいなくなり、静かな森に神奈と和樹だけが残されていた。
「…そーゆことだから。」
「いやいやいやいや。は?お前まじか、マジなのか…」
和樹に触れられた唇を無意識にゴシゴシと拭く神奈にイラっとくる和樹。
「てめー、それは失礼すぎろ。」
「いやおめーが失礼だろ!!なにしてくれてんねん!!最悪なんだけど…」
「あ?!」
「初めてがバカズキとか最悪だっつーの!!!!」
「は?お前初めてなの?」
ふーんとニヤリ笑う和樹を精一杯睨む神奈
「俺はお前が好きだから、考えとけよ」
「図々しいのはあんただよね。てかあたしの事散々女じゃねーとか言ってて好きって…むっつりすぎにも程があんだろーが!!!!」
「誰がむっつりだこら!!!!」
「はぁ。あたしいっとくけどアンタのこと別に好きじゃないから。てか恋愛とかよくわかんないし、」
「だからこれから教えてやるっつってんの。俺に惚れさせればいんだろ」
「むっつり俺様スタイルと来ましたか。頑張りたまえ。でもこーゆ強引にキスとかはやめてくれたまえよ。」
男にキスされてこんな普通でいられる神奈に
和樹は体の力が抜ける。
「ほんっとお前掴めねー性格。」
「しつこいよ。ほら、後ろから樹達追いついてきたし、行くよ。」
さっきのキスを無かったことにされたのか
本気で恋愛に関して無知なのか。
和樹の頭は悶々としていた


