「お前さ、怖いもんとかねーの?」

「怖いのかー。んー、やっぱ嫌われ代表の黒光り先輩っすね〜。」

「フツーにゴキブリって言えよ。お前そーゆの普通に殺しそうなタイプかと思ったけどな。」

「やーん、そこまで強そうに見えてんの〜。てかほんとにとことん女には見えてないのねあんたには。」

「そりゃそーだろ。」

真っ暗な森の中を順調に歩いていくと
上の展望台につく。

「ん?あそこ人影!!ちょ、ストップ!!」

「あれクラスの雨音と木村じゃね?」

2人の人影はひとつに重なり、神奈と和樹は
カップルのキス現場を目撃する。

「うわー。肝試しそっちのけで楽しんでられるって、まさに恋は盲目ってやつ?」

「つか、俺ら隠れる意味あんの?」

脇の木に神奈と和樹は密着して隠れている事にハッと気づく。


「なんかあんた近くない?」

「いやお前が寄ってるんだろ」

二人の顔は数センチの近さ、暗くてお互いの表情は見えない。

「…つーかこんな密着だと男にも理性ってもんがあんだけど?」

「なにそれ?理性ってあんた、まさかあんたまでこの雰囲気にやられてあたしの事好きになるとかやめてよねー。」

「別に雰囲気にはやられてねえよ」

「あっそ。………は?」

一瞬にして口をふさがれた神奈は
和樹にキスをされてる状態に固まる