教室に戻ってくると、サキの机の上にはさっきと変わらずジュースのパックが置かれたままになっていた。


中身はまだ半分ほど残っていたはずだ。


「それ、新しい味だっけ?」


見たことのないパッケージにあたしはそう聞いた。


「うん。ピーチ味の紅茶だよ」


サキはそう言い、「飲む?」と、あたしに紅茶を差し出して来た。

「ううん。でも美味しかったら教えて? 自分で買うから」


そう言うと、サキはジュースをひと口飲んだ。



「あたしは美味しいと思うよ。ご飯には合わないけど」


「そりゃそうだよね、甘そうだもん」